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刺激的な災害写真や映像があまりにもお手軽にアップロードされる → ×

by Katsumi TAZUKE

台風21号の爪痕を見て

すでにそうなってから何年も経過していますが、今回の台風のような自然災害でも居合わせた人がスマートフォンさえ持っていれば、瞬時に災害現場の最も刺激的な写真や動画がアップロードされてしまいます。

残念ながら悲惨な災害であっても、絵や映像としては、インパクトのある非日常で奇をてらったものが求められます。刺激度はエスカレートする一方です。本物ならまだしも偽物も多数あります。それを誰でもエンタテイメントとして消費することができる世の中になっています。

太古の昔から台風は一定数発生していたはずです。住居や様々な生活のためのインフラも現在の水準からすれば貧弱だったので、多数の死者が出る大災害も頻繁だったと推測されます。しかし、iPhoneもインターネットもTwitterもなかったので、その酷い姿を写真や動画で、数分後に見ることは不可能でした。

私たちは、世の中で起こっているごく僅かの最も酷い最悪のシーンだけをトリミングして繰り返し見せられているのでしょう。天気予報でおなじみの風速50メートルのヤシの木が折れそうに揺れている絵がもてはやされますが、風速10メートル程度のやや強い風は絵として普通すぎて誰も見てくれないので、アップロードされません。

しかし世の中の大半は、風速10メートル程度のやや強い風が吹き荒れている絵にならない世界なのです。

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